地域によって違う!夏至の風習・食べ物は?

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昼間の時間が1年で最も長くなる日に当たる夏至は、地域によってさまざまな風習がある日でもあります。ここでは、この夏至から半夏至にかけての期間において各地で催されるイベントや風習、よく食べられるものなどについて説明します。

「夏至の風習や地域によって違う!」

昼間の時間が1年で最も長くなる日を夏至と呼ぶのに対し、昼間の時間が最も短くなる日を冬至と呼びますが、冬至にはゆず湯に入ったり、かぼちゃを食べたりといった風習がある一方、夏至の風習として全国的に行われていることは特にありません。

しかしながら、夏至特有の風習は地域ごとに異なるものが数多く存在し、特に夏至からその11日後にあたる「半夏生(はんげしょう)」までの11日間に範囲を広げると、その数は冬至の風習にも劣らないほど多岐にわたります。

ここでは、夏至から半夏生の11日間において行われる風習やよく食べられるものを地域別にご紹介します。

「地域によって違う夏至~半夏至の風習」

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続いては、夏至から半夏生にかけて行われる風習やよく食べられるものを関西地方、関東地方、それ以外の地方の3つに分けて解説します。

・関西地方
関西地方の中でも特に大阪府の一部地域では、夏至から半夏生の時期にタコを食べるという風習があります。これは稲の根がタコの足のように八方へ力強く伸びるようにとの位が込められているといわれています。

また、奈良や和歌山では同量の餅米と小麦を合わせてつき、最後にきな粉をまぶした小麦餅と呼ばれる食べ物を夏至から半夏生の時期に食べるという風習があります。これは、この時期に収穫される小麦の豊作への感謝の意を神様に伝えるために始められたといわれています。

・関東地方
関東地方では小麦と米を使用した餅を夏至から半夏生の時期にかけて食べるという風習があります。これは、関東地方で行われることが多い二毛作において栽培される小麦と米が共に夏至に近い時期に収穫されることと関係しているともいわれており、この場合は豊作への感謝を大きな目的としています。

・それ以外の地域
福井県の一部では夏至から半夏生の時期にかけてサバを食べるという風習もあります。これは、江戸時代にサバがこの地域において貴重なスタミナ源とされていたことが関係しており、夏バテ予防を主な目的としていると考えられます。

また、昨今では名産品として一年中食べられることが多くなった香川県のうどんも、もともとは夏至から半夏生の時期にかけて食べられていました。これもまたこの時期に収穫される小麦が使用されていたことから、その豊作に対する感謝の意が込められていたと考えることができます。

「夏至のイベントが開催される地域も」

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一方で日本国内においては夏至の時期に毎年行われているイベントもいくつか存在します。

そのひとつとして特に有名なのが、三重県伊勢市にある夫婦岩でも有名な二見輿玉神社で行われる夏至祭です。この夏至祭では、夫婦岩の間から昇る朝日を拝みながら行う禊が主となっており、参加料を払えば一般の人でも禊を受けることが可能となっています。

また、夏至祭は日本よりも北欧をはじめとしたヨーロッパの国々で盛んに行われているという特徴がありますが、北海道の当別町ではスウェーデンの夏至祭を再現したイベントも開催されています。こちらのイベントはフォークダンスやコンサート、リースの行進などが行われており、毎年数千人が来場しています。

このように夏至の時期には日本国内においてもいくつかのイベントが開催されていますが、この時期は梅雨の時期にもあたることから、夏至祭などの開催に対して消極的な自治体も多く、そのことも関係し、国内における夏至関係のイベントは決して多くはありません。

まとめ

ここでは日本全国で行われている夏至の風習や、よく食べられているものなどについて解説しました。夏至ならではの風習や食べ物は冬至に比べると数が少ないですが、その地域ならではの風習に目を向けてみると今までとは違った夏至の過ごし方ができるかもしれません。